月別アーカイブ: 2014年5月

面接や会話の間が悪くて損している人に心がけてほしい一つのこと

求職者の面接をしていると、よい人物なんだけど、会話の間が悪いがために損をしているな、と感じる人がけっこうな割合でいらっしゃいます。

例えば、まだ面接官が話を終わらせていないのに焦って話を始めたり、逆に面接官の話が終わって返答するまでの時間が、微妙に空いてしまうことで会話の流れがスムーズでなかったりします。

ニュースなどで海外との中継を見ているときに感じる人も多いと思いますが、アナウンサー同志の会話が、ほんの数秒ではあるのですが返事に間が空いたり、お互いが同時に話を始めたり、逆に沈黙が続いたりするのを見ると、微妙にイヤな気分にさせられるのが、分かりやすい事例です。

面接などの際に、衛星中継の会話のようになってしまうと目も当てられません。 そうならないためにも会話が苦手だなと感じている方にこそ、心掛けてほしいことを、ここでは書いてみたいと思います。

 

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◆ テンポがよいキャッチボールを意識する

会話はキャッチボールみたいなものだということをよく言われます。 男性は幼い頃にキャッチボールをしたことがある人も多くイメージしやすいと思いますが、キャッチボールで大事なことの一つはテンポです。
相手がボールを取りやすく、かつ投げ返しやすいところにこちらが投げても、ポロポロとボールを落としたり、逆に投げ返してくるまでに、微妙に時間がかかるとキャッチボールの楽しみは半減してしまいます。

キャッチボールが楽しみの一つは、心地よいテンポでボールのやり取りが続くことであり、他にもバドミントンやテニスでのラリーが続くことの楽しさと相通ずるものです。

会話も同じで、心地よいテンポでやり取りが続くからこそ楽しいのであって、一方的に自分の言いたいことだけを伝える話や、話が広がらないブツ切りの会話が楽しいわけではありません。

そうならない為の上手な間の取り方は、相手の話が終わったら、テンポよくボールを返してあげることです。 少し早目のテンポで返事をすることで会話にリズムが出てきます。

このテンポを学ぶうえで参考になるのが、喋りが上手な芸人さん達の間の取り方です。
会話が面白い芸人さん達の間の取り方は上手です。 プロとして自分の喋りを武器に生活している訳ですから、上手なのが当たり前で、テンポが悪かったりイヤな間が空くようでは芸人として生き残れません。

会話の間が悪いなと感じている人は、テレビでお笑いを見る時に、単純にネタを楽しむだけでなく、どんなテンポで話をしているのかに注目して見て下さい。 そのような目で芸人さんたちを見ていくと、自分の中で心地よく、しっくりくるテンポの芸人さんが、きっと見つかると思います。

その後は、その芸人さんの会話のテンポを意識して真似をしてみるのです。 けっしてネタを真似する訳ではなく、あくまで会話のテンポを真似してみます。 日常生活で家族や友人と話す時だけでなく、人と会話をする時には常に意識をして会話をしてみます。ひと月も意識して会話をしていると、家族や友人たちから好印象な評価の言葉が出てくると思います。

会話の間が悪くてコンプレックスを感じている人の大部分は、性格や話し方に問題がある訳ではなく、単純に、会話における間の取り方の練習をしたことがないから出来ないだけです。 喋ることのプロを目指すのではなく、会話の間の取り方を上手にしたいレベルの話であれば、少しの意識と心がけで上手になれるものなのです。 簡単に取り組むことができることですので、ぜひチャレンジしてみてください。

職場環境の満足度が高いハンバーガーショップの秘密

ハンバーガーショップといえば、ファストフードの典型でもあり、特に職場環境が素晴らしいとのイメージがある業界でもありません。 しかし、アメリカで1948年に誕生し、現在280店舗を展開しているハンバーガーチェーンの「in-N-Out Burger (イネナウトバーガー)」は、職場環境が素晴らしく、また行列が出来るほどに人気があることでも有名な企業です。

そんな、in-N-Out Burger の取り組みについては、日本でも社員の採用や離職率の高さに苦戦している企業においても、参考にできる部分が多々ありますので、紹介してみたいと思います。

 

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◆ in-N-Out Burgerが、愛されるファストフード店である6つの理由

1) 品質の徹底した管理…冷凍食材を一切使わない
2) 顧客重視…顧客の多様な要望に応える
3) 社員の職場満足度を高める…ハード面とソフト面の両立
4) シンプルな一貫性…いつまでも変わらぬメニュー
5) 急拡大をしない…フランチャイズではなく、すべてが直営店で非上場
6) 自社の定めたルールから外れない…しっかりとした核を持つ

イネナウトバーガーの特徴としては、表向きのメニューはハンバーガー、チーズバーガーと、Double-Doubleと呼ばれるチーズとパテが2枚づつ入ったチーズバーガーの3種類とポテトにドリンクだけです。 しかし、シークレットメニューと呼ばれる裏メニューが多数存在しています。

例えば、プロテインスタイルといわれるものは、タンパク質を重要視するバーガーですので、炭水化物であるバンズがありません、代わりにレタスでパテを包んでいます(日本でもモスバーガーが菜摘の名で販売してましたが、どちらが先かは分かりません)。 他にはベジバーガー、これは逆にパテがありません、バンズの間には野菜のみが挟まっています(はたしてハンバーガーと呼べるのか)。

これら商品については、冷凍食材を一切使わない、ポテトに使うジャガイモは毎日各店舗で皮むきからする、注文を受けてから作り始めるので、保温するためのヒートランプなどの設備はないなど、品質を高めるための取り組みも徹底しています。

 

◆ 会社の魅力が好循環を育てる

そんな特徴を持ったイネナウトバーガーですが、人事という観点から見ると、社員の職場満足度を高めるために、しっかりとした賃金と福利厚生に取り組むことはもとより、社員同志の意思疎通をしっかりと図るためのミーティング(上から下への一方的な業務連絡ではない)、社員にギフトを贈ったり、クリスマスパーティーを開催するなど細やかな気配りをしていることもあり、離職率はかなり低いようです。

また、会社としても急拡大を求めていませんので、店舗は全てが直営店です。  このことも社員教育や育成について慌てる必要がなくプラスに働いてます。 また有能なマネージャーが勤務できない地区は出店をしないなどの自社ルールを徹底することで、会社に対する満足感を高める一因にもなっています。

このような魅力を持つ会社であれば、退職者が出ても、人気がある職場ですのですぐに新しい社員を採用することができますし、また多くの求職者から、より自社にマッチングする人を採用することも可能になりますので、結果的には離職率や求人経費も下がり、好循環な人事体制をつくることが可能になります。

イネナウトバーガーの取り組みをそのまま真似しても仕方がありませんが、社員の採用や離職に苦戦している企業にとっては、社員採用や離職をテクニカルな手法で改善するだけでなく、魅力ある企業になることで組織を構築することも可能であるという意味で参考になればと思います。

ブラック企業のレッテルを貼られることの危険性を理解しておく

ここ数日の報道のなかに、居酒屋大手のワタミの新卒採用が、目標の半分程度にとどまったとのニュースがありました。 ワタミといえば、長時間労働などの問題が指摘されており、そのことが新卒採用の上で苦戦した一因になった可能性があるという趣旨の報道でした。

社員採用を強化するとのワタミの発表ではありますが、この報道を見た来春の新卒者も、ワタミに対するエントリーには二の足を踏む可能性もあります、また就活生の親や周りの人も、これだけネガティブな報道に接すれば、いい顔をしないかもしれません。 一度ブラック企業のレッテルを貼られてしまった企業が、いかに社員採用に苦戦することになるのか、まるでお手本のような例です。

 

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確かに不景気な時期には、やる気と体力があれば、資格等がなくても就職できる可能性が高いワタミなどの外食産業は、ある意味、駆け込み寺としての役割がありました。 しかし、デフレ環境下でコモディティ化させた社員から利益を生み出すことで、利益を生み出すビジネスモデルは、経済環境が上向きに転じると、いきなり社員採用に苦戦するビジネスモデルになるのです。

ちなみに、外食業界はワタミに限らず、大手の牛丼チェーンについても社員採用に苦戦するあまりに、店舗が一時休業しているとの話題も巷に流れています。

これだけ情報の伝達速度が早く、ほぼ永遠にデータとして残り続ける世界では、一度ブラック企業であるとレッテルを貼られることは、経済環境の好不況に関わらず年々、社員を採用するためのハードルが高くなっていくことを、企業としては理解しておくべきです。

ただ、いまブラック企業とレッテルを貼られている会社で、頑張っている社員の方の立場からすると、会社として今後の社員採用に繋げるために労働環境を改善することが、充分に期待できる状況ではありますので、そこは嬉しい点かもしれません。 そう考えるとブラック企業のレッテル貼りにも、何らかの意味があるのかもしれないですね。