ブラック企業だと言われる、いわゆる労働基準法の規定や社会通念から大きくかけはなれた就業条件、環境を入社する前に気づくことはなかなか難しいのですが、少しの努力で気づくことができますので、参考にしてみてください。
「長時間勤務、休日出勤が常態化している企業の特徴」
サービス業、接客業には当てはまらない場合もありますが、一般的なB to Bや、B to Cの企業について時間外労働や休日出勤が、求人募集や会社説明の内容と違う場合について見抜くことが出来るコツです。
・就業時間外に、企業に電話をかけてみる。
例えば、会社説明の際には9時から18時までの勤務時間で、残業は多くても2時間程度です。との説明を受けていたとします。 そのような場合に、21時や22時に企業に電話をかけてみて当たり前のように電話に社員の方が出られる場合などは、説明と現実が違う可能性も高いでしょう。
但し、代表電話については就業時間外は留守電に切り替えたり、部署によって時間外勤務の時間に大きな違いがある場合もありますので、その点は注意が必要です。
・就業時間外に、企業を見に行ってみる。
電話をかけてみることと同じような方法ではありますが、電話の場合には、留守電などで繋がらない場合もあります。しかし電気を点けずに仕事をすることは不可能です。オフィスビルなどであれば、通りから見えない場合もありますが、路面に面している様な企業であれば、外から中の雰囲気が掴める場合もありますので、気になる際には必ず見に行くことをオススメします。これは休日についても言えることです。
「現実の賃金が、会社説明と違う企業に多い特徴」
会社説明の際に聞いていた賃金と、現実に振り込まれた賃金に違いがある……。このことを入社前に気づくことは、正直かなり難しいのが現実です。これは違いが判明するのが、給与を振り込まれた時になるというのが一番の原因です。それを避けるためには、とにかく情報を収集することが大事になってきます。
・社会通念とは、著しく違う企業風土をアピールしている。
例えば、入社から半年で月給100万円!1年後には部長で年収1000万!などのアピールをしている求人募集を時々目にします。特に営業関係の求人募集に多いこのキャッチフレーズですが、この手の募集は、低い基本給に高い業績給やインセンティブ制をとっている場合が多く、安易に信じて入社すると、成績次第では月給10万円に満たないような場合もありますので、注意が必要です。
・ホームページ、ハローワーク、求人雑誌などの募集情報で微妙な違いがある
これは、賃金の違いだけに言えることではなく、他のさまざまな就業条件にも当てはまることですが、ホームページやハローワークの募集、そして求人雑誌などに、ひと通り目を通していくと微妙な違いを発見することがあります。例えば、ハローワークの募集には、基本給15万円+インセンティブが最大30万円と記載してあり、求人雑誌を見ると月給100万円可能など、一貫性のない求人募集をしているような企業は、賃金は人を集めるキャッチコピーくらいの意識ですので、現実と違う場合が多いです。
「社員の定着がよくない企業の特徴」
今までに書いた、時間外勤務や休日出勤、賃金の違いなどが当てはまる企業は、概ね離職率が高いのは当然のことです。それ以外に判断できる材料もありますので、参考にしてみてください。
近隣から通勤している社員が少ない。
地方の企業に多いのですが、企業の所在地近くで居所を構えて勤務している社員の割合が、著しく低い企業を目にすることがあります。そのような企業は地元の評判が長い間に低下してきて、近隣からは誰も就業しない、そんな場合があります。会社説明の際に、遠方から就業されている方も多いなどの発言があれば、近隣には募集をかけても採用ができないことの裏返しの場合もありますので、覚えておいて損はないでしょう。
常に求人が出ている、また採用人数も多い。
求人募集を見ると常に採用活動を行っている企業、また採用人数が極端に多い企業、このような会社は、それだけ離職率も高いので常に募集をし続ける必要があるということです。前回の記事で書いた某牛丼チェーンなどはその典型的な例かもしれません。
「求職者は理解しておかなければならない」
求職活動がうまくいかず、不採用の数が増えてくると、徐々に心が削られ、不安から早く仕事を決めたいとの思いが強まり、最初に自分が考えていた就業条件より悪くても、とりあえず就職できるのであれば……と、厳しい就業環境の企業に飛び込んでいく多くの方を目にしてきました。
しかし、ブラック企業が狙っているのは、求職者が持つ不安で正常な判断が鈍っており、企業の思うままに使ってやろうと考えていることを理解しておくべきです。
この企業、ブラックな気がするということを理解し、心の準備と対策をして入社するのか。それとも全く知らないままに入社して苦しむのか、同じようなことに思えますが、実際は大きな違いがあることを理解しておいてほしいと思います。