「報告・連絡・相談」、いわゆる「報・連・相」が、仕事を進める上で大切であるということは、各企業の社内では口すっぱく言い続けられていることでしょうが、多くの管理職が、部下の「報・連・相」が出来ていないと嘆いてあります。
そもそも話を聞いていると「報告・連絡・相談は速やかにしなさい」と社員に教育はしているものの、その定義が各人で明確になっておらず、上司の使っている意味と、部下の認識の間にズレがあるという状況を時々目にします。
部下の「報・連・相」がダメだと嘆く前に、まずは定義を社員同士が共有しておかなければ、報・連・相の改善どころではありません。 今回の記事では、言葉の定義を再度、理解し直す機会にしたいと思います。
報告・連絡・相談の定義
報告:
上司からの業務上の指示・命令に対し、部下から途中経過・結果を知らせることです。
(例)
上司:この資料を明日の午前10時までに仕上げてくれ。
部下:分かりました。
〜2時間後〜
部下:資料の作成ですが、データの精査に時間が必要ですので、明日の12時までお時間頂戴できますか?
上司:では、余裕を持って14時までに仕上げてくれ。
部下:分かりました。
連絡:
上司や部下など職位には関わらず、自分の意見を入れることなく、客観的な事実を情報として関係各人に知らせることです。
(例)
上司:新製品の開発会議は、金曜日の10時から行うので各人、準備をしておくように。
(例)
窓口:◯◯様より、列車遅延のために到着が30分遅れるとの電話がありました。
相談:
仕事上で判断に迷う時や意見を聞いて欲しい時に、先輩・上司・同僚などに意見を聞きアドバイスを受けまることです。相談も職位に関係なく行われます。
(例)
後輩:この仕様ですが、前回の場合にはどのように対応されましたか?
先輩:前回は、この様な仕様にしたのうまくいったよ。
(例)
上司:君の担当先A社について、納期が遅れがちになる原因はこれだと思うのだが、君の担当者としての意見を聞きたい。
部下:それも原因のひとつですが、新しい設備の稼働がスムーズにいっていない事も原因に挙げられると思います。
用語の持つ意味を共通認識しておくことが大切である
今回は、報告・連絡・相談について見なおしましたが、本当に大切なことは社内で使用する様々な用語が持つ意味を、すべての社員が共通認識として持っておくことが大切です。認識が共有できていないと、コミュニケーションの中に齟齬をきたします。 極端なことを言えば、お互いが違う言語で話をしているにも関わらず、理解を深めようとするようなものです。
報・連・相は大事なことではありますが、まずはお互いの認識にズレが生じていないかをいま一度、確認してみる機会になればと思います。