社員採用に苦戦している中小企業にまず覚えてほしいこと


多くの中小企業に伺わせていただくと、『社員の採用に苦戦している』『よい人材がきてくれない』『募集をしても誰も来ない』という相談をほぼ100%の確率で経営者層から受けます。

中小企業にとって採用活動に苦戦をするのは、最も頭の痛い問題のひとつですが、採用できない理由を、求職者や社会の環境に求めても仕方がありません。 まずは自らが改善できる簡単な取り組みから始めましょうと、経営層に話をさせて頂く内容について、今回の記事では書いてみたいと思います。

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なぜ採用できると思うのですか?

僕が「どうして、よい人材を採用できると思うのですか?」とお聞きすると、だいたい質問された方はきょとんとした顔をされます。 そこで「なぜ求職者の方が、貴社を志望すると思ってあるのでしょうか?」と続けると、そのまま答えに詰まられるというのが、ほぼテンプレートになっています。

ここで伝えたいことは、ただひとつ、求職者が志望する為の道筋ができていない、ということです。 日本国内に法人の数は約258万社、個人事業まで合わせると400万の数があります。 自社のある地区でも常に数百以上の企業が、さまざまな求人募集を行っていることでしょう。 地域にある数多くの企業が、よりよい人材を獲得したがっているライバルであることを理解しておく必要があります。

その環境下で、ライバル企業に負けない採用活動をするためには、求職者が自社を志望する道筋を上手に作ってあげる必要があります。 例えていうならば、ハローワークに求人を出した、求人媒体に広告料を払い掲載しただけではいけないということです。 言い換えれば、求人を出した、広告を掲載した、という行動自体は必要なことですが、そのひとつひとつの行動が、単体として完結してはいけません。

中小企業こそマーケティング意識を持って採用活動をするべき

大企業のように採用活動に大きな経費を使えない、そんな中小企業だからこそ知恵を使った採用活動が大事になってきます。 そこで参考にしてほしい考え方が、アメリカ・マーケティング協会のマーケティング定義です。

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。

この定義を紐解くと、求職者が自社を志望してくれる為には、パートナー(求職者)にとって、価値のある提供物(求職者が自社で働くことの様々な要因)を、伝達するための一連の制度、プロセスが大事である、ということです。

簡単にいえば、求職者に自社の雇用条件だけアピールしても、ライバルとの差別化が難しいのが現状です。 やり甲斐や働く意義、そして求職者の将来の姿を含め、働きたいと思える情報を、どのように伝え、そして志望したい気持ちを醸成していくのか、そのプロセスを考えなければいけません。

まずは概要として、このことを理解した上で自社としては、どのようなプロセスを組むことができるのか、そのことを考えてほしいと思います。

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