就職活動を行っていくうえで、就活生としては面接を受ける際に、面接官は客観的に人物を評価していると思いがちですが、実際には人が何かを判断する際には、多かれ少なかれその人の考え方や思想などが反映しています。このようなことを、バイアス(bias)がかかっているといいます。
そのバイアスの中で、今日は就活生の面接評価をプラスにもマイナスにも変化させる、ハロー効果について書いてみたいと思います。
「有名大学を卒業した人は、人格も優れているのか?」
ハロー効果というのは、経験的に多くの人が理解しているかもしれませんが、ある人を判断する際に、その人の目立ちやすい特徴に意識が引きずられて、他の特徴について評価が歪んでしまうことをいいます。
例としては面接の際に、就活生が有名大学を好成績で卒業する予定であった場合、面接官がその人物の大学成績という特徴に意識が引きずられ、人格までも優れていると思い込んでしまうことがあります。 理解できると思いますが、成績が優れていることと人格が優れていることには何の関係もありません。 成績と人格が共に優れている人もいますが、成績が優れていても人格は破綻している様な人も数多く存在します。
同じような面接時の例で、大学の4年間は体育会系で頑張っていましたという就活生がいたとすると、挨拶や返事がハキハキしているのは体育会系で頑張ってきたからだ、と勝手な判断を下してしまいがちですが、就職面接の際の、就活生の挨拶や返事はハキハキしているのが当然です。
しかし、体育会系で頑張っていたという目立ちやすい特徴に意識が引きずられてしまい、評価を歪ませてしまうのです。
逆にインドア派の趣味で、あまり外出することはありません、という候補者がいると本人の性格と趣味には何の関係性もありませんが、なぜか性格は陰鬱なのではないかという間違った判断を下してしまうこともハロー効果のなせるせいなのです。
「面接でハロー効果を上手に利用する」
面接官が、自分自身の判断には無意識のうちに、バイアスがかかりハロー効果などの影響を受けているということを理解しておいてくれれば助かるのですが、多くの面接官自身は客観的になんの影響も受けることなく就活生を評価していると思いがちです。
このことについて就活生の側から、あなたの私に対する判断は正確ではありません。と言えればよいのでしょうが、現実的には無理な話です。 では、どのようにすればよいのでしょうか?
まず、一番簡単な方法は「見た目を変えるということです」
有名大学を出ていなくても、大学の4年間を体育会系で頑張っていなくても、 インドア系の趣味のせいで、なんとなく性格が陰鬱であるという勝手な印象を受ける人も、見た目を変えることでハロー効果をポジティブに使うことも可能なのです。
では、どのように見た目を変えればいいのでしょう。 それは面接を受ける企業が求めている新卒者の姿を、分かりやすく自分の外見で表現するのです。 例えば、企業が元気のある営業社員を採用したいと考えているのであれば、あえてステレオタイプな新卒営業社員のイメージを具現化した見た目にする、ということです。
ただ、見た目を変えるというと、就活においてそこまで企業に媚を売るのか、というお叱りもあると思いますが、どうしても、その企業で自分の能力を活かして頑張ってみたいという強い想いがあるのであれば、採用されるためにできることは全て試すべきであると僕は考えます。
逆に「自分は見た目ではなく、能力を正当に評価してくれる企業で頑張りたい」と、考える人は自分の信じる信念に沿った行動ができれば、それは素晴らしいことだと思います。
就職活動において何が正解で、何が不正解であるかなんてことは自分自身が決めればいいことです。 ただ何を選ぶにせよ、自分ができることを全てやりきったのか、それともここまででいいやと妥協したのか、それは将来に、自分の人生を振り返った時に分かるものだと思います。
ただ面接官はハロー効果という人間心理の認知バイアスの影響を受けることが多いものです。 そのことを理解した上で、自らの就職活動に活かして貰えれば幸いです。