未来は自分で創造する

日経新聞では、1月1日に大手企業の経営者や各種アナリストが、今年一年の株価予測を紙面で発表します。 予測する方達は多くのしがらみや影響力を持ってますので、あまり極端な予測はしません。(今年の株価はナイアガラの滝のように落ち込みます、なんてことを心の中では思っていたとしても、正月早々そんな紙面は誰も見たくありませんので決して声には出しません、それが大人としての対応です。)

ここでは、誰がどのような予測をしたかが問題ではなく、ただ、正月に日経に掲載された株価予測については、1月が終わった時点で予測した20名全員が既にハズしているという事実です。

このことから就活生が考えるべきことはなんなのでしょうか…

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◆ 未来は分からない

テレビや新聞、雑誌、ネットなど学生が目にすることの多いメディアでは、今後の経済動向や将来の様々な予測について、尤もらしく、親切丁寧に納得しやすい形で説明をしてくれます。 ただ、その予測はどの程度、正確なのでしょうか。信頼するに値するものなのでしょうか。

経済アナリストや経済紙の予測に従って株を購入する場合と、当て推量で株を購入することに、明確なリターンの違いはない。というある数学者の研究結果があります。

つまり経済アナリストの予測は、当てずっぽうと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、未来を予測するのは、それ程に難しいことなのだと理解してください。

ここで学生の皆さんに伝えたいことは、経済アナリストの言説は信用できないという話ではなく、未来や将来のことは誰にも分からないので、そんな情報を自分の大切な就活の判断材料に安易にしないということです。逆に、本当は未来を正確に予測できるアナリストがいたとしても、そういった予測は一部の人たちの間にしか流れませんので、このブログを読んでいるあなたが知ることは絶対に出来ません。

このことについて、僕のような経済についての門外漢が言っていることよりも、有名な経済アナリストの言う事の方が信用できると思う人は、日経新聞や経済紙を捨てずに取っておいて、半年、1年後に見直してみると、面白い結果が見れるので試してみるといいでしょう。(この有名経済アナリストだから信頼できるというのは、ある種の心理トリックでもあるのですが、その説明はまたの機会に。)

繰り返しになりますが、テレビや新聞雑誌、もちろんGoogleで検索しても未来の事は分かりません、そういったメディアの流す情報は、その程度のレベルであることを理解しておかないと、価値のない情報に踊らされて右往左往することになります。

◆ 未来は自分で予測する

結論として私が皆さんに伝えたいことは、未来は予測できない。 だからこそ、自分自身で未来を創造して、それを基に就職活動をすすめてほしいのです。

例えるなら、就活生から、僕はこの業界に行きたいのですがどうでしょうか、私はこの志望企業に行けますか、といった質問を受けることがあります。これは、今年の株価はどうなるのだろうかと思いながらも、何も考えずに思考停止して日経の紙面を見ているオジサン達と一緒です。

日経に掲載されている今年の株価予測が、読んでいるオジサン達の考えていることに合致していれば、オジサン達は一安心して明るく正月を過ごすことが出来ます。当り障りのない予測ですので、合致する可能性は高いです。(ただ20名が予測した日経平均株価の底値18000円は、様々な要因により既に下回っています。今ごろ安心していたオジサン達は大慌てになっているかもしれませんね。)

私は、2015年まで就活セミナーの主催者や自治体の方々との間に多くのしがらみがありました。そんな立場でもあり、また一生懸命に頑張っている学生に対して、可能性が低いからといって安易に無理だねと言えるほど冷血漢でもありません。(可能性低いだろうなと判断していた学生が志望する企業に採用される例も時々あったりします。)

そして、根本的な問題として僕の一言で就活生の人生が変わるような方向づけをするのは無理です、身内に対してもそんな責任は正直負いたくもないのに、セミナーで偶々お会いした学生に、極端に厳しいお話や現実社会の仕組みの説明は出来ません。

(倍率がものすごく高い業種しか受けないや、あまりにも受ける数が少ないなどの、ムチャな就活の場合は、さすがに、もう少し考えなさいと、それとなく、柔らかく、なんとなく伝えるようにはしますが…)

つまり、今年の株価予測を見て、そして来年も同じことを繰り返して一喜一憂するオジサン達は、巷に氾濫する情報に踊らされている側です、就職活動をする皆さんにとってよい反面教師になってくれます。ぜひ、周りの情報に踊らされることがないように、自分自身で情報の精度を確かめながら、就職活動に取り組んで、自らの力で自分自身の未来を創造してほしいと思っています。

そんな想いと伝えたい現実を、ブログ再開の最初とさせて頂きます。

人事技術のヒント+α 再開のご挨拶

2014年の3月から3ヶ月間、記事数にすると30にも満たないブログでしたが、多くの閲覧者の皆様、また130を超えるご質問を頂きましたことを御礼申し上げます。

ご質問を頂いた方にお答えが出来ていない、回答が非常に遅くなってしまったなど、多くのご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

最終の記事更新から1年半超になりますが、今でも毎月数件のご質問をいただいており、いかに多くの方が仕事に関する様々なことについて苦悩してあるのか、多くの企業人事の最前線で対応している自分自身にとっても、襟を正さねばならないとの思いを強くする機会になりました。

2014年に最後の記事を書いていた5月の完全失業率が3.5%、2015年末は3.3%

数字にすればたかが0.2%の違いでしかないのですが、この0.2%という数字に現れる以上に労働環境は大きな変化を迎えており、またこれからも引き続き2021年頃までは、大きな変化を起こすものと予想してます。

なぜ大きく変化をしていくのかについての詳細は、今後のブログの中で、さまざまなデータを元に記事にしていきたいと考えています。

ご質問についてもブログ再開後は、以前よりもタイムリーにお返事が出来るような、僕の仕事における環境も作りましたので、仕事や就職活動、転職など引き続きお悩みを抱えた皆様からのご質問を受け付けてますので、ぜひご相談下さい。

2月1日月曜日から、毎週月曜日のお昼12時に更新します。

仕事、就職活動、転職、人事組織の構築、社員の定着、社員の成長等々、人と仕事に関する現場の情報から俯瞰した視点まで、再開するブログが皆様の参考になれば幸いです。

面接や会話の間が悪くて損している人に心がけてほしい一つのこと

求職者の面接をしていると、よい人物なんだけど、会話の間が悪いがために損をしているな、と感じる人がけっこうな割合でいらっしゃいます。

例えば、まだ面接官が話を終わらせていないのに焦って話を始めたり、逆に面接官の話が終わって返答するまでの時間が、微妙に空いてしまうことで会話の流れがスムーズでなかったりします。

ニュースなどで海外との中継を見ているときに感じる人も多いと思いますが、アナウンサー同志の会話が、ほんの数秒ではあるのですが返事に間が空いたり、お互いが同時に話を始めたり、逆に沈黙が続いたりするのを見ると、微妙にイヤな気分にさせられるのが、分かりやすい事例です。

面接などの際に、衛星中継の会話のようになってしまうと目も当てられません。 そうならないためにも会話が苦手だなと感じている方にこそ、心掛けてほしいことを、ここでは書いてみたいと思います。

 

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◆ テンポがよいキャッチボールを意識する

会話はキャッチボールみたいなものだということをよく言われます。 男性は幼い頃にキャッチボールをしたことがある人も多くイメージしやすいと思いますが、キャッチボールで大事なことの一つはテンポです。
相手がボールを取りやすく、かつ投げ返しやすいところにこちらが投げても、ポロポロとボールを落としたり、逆に投げ返してくるまでに、微妙に時間がかかるとキャッチボールの楽しみは半減してしまいます。

キャッチボールが楽しみの一つは、心地よいテンポでボールのやり取りが続くことであり、他にもバドミントンやテニスでのラリーが続くことの楽しさと相通ずるものです。

会話も同じで、心地よいテンポでやり取りが続くからこそ楽しいのであって、一方的に自分の言いたいことだけを伝える話や、話が広がらないブツ切りの会話が楽しいわけではありません。

そうならない為の上手な間の取り方は、相手の話が終わったら、テンポよくボールを返してあげることです。 少し早目のテンポで返事をすることで会話にリズムが出てきます。

このテンポを学ぶうえで参考になるのが、喋りが上手な芸人さん達の間の取り方です。
会話が面白い芸人さん達の間の取り方は上手です。 プロとして自分の喋りを武器に生活している訳ですから、上手なのが当たり前で、テンポが悪かったりイヤな間が空くようでは芸人として生き残れません。

会話の間が悪いなと感じている人は、テレビでお笑いを見る時に、単純にネタを楽しむだけでなく、どんなテンポで話をしているのかに注目して見て下さい。 そのような目で芸人さんたちを見ていくと、自分の中で心地よく、しっくりくるテンポの芸人さんが、きっと見つかると思います。

その後は、その芸人さんの会話のテンポを意識して真似をしてみるのです。 けっしてネタを真似する訳ではなく、あくまで会話のテンポを真似してみます。 日常生活で家族や友人と話す時だけでなく、人と会話をする時には常に意識をして会話をしてみます。ひと月も意識して会話をしていると、家族や友人たちから好印象な評価の言葉が出てくると思います。

会話の間が悪くてコンプレックスを感じている人の大部分は、性格や話し方に問題がある訳ではなく、単純に、会話における間の取り方の練習をしたことがないから出来ないだけです。 喋ることのプロを目指すのではなく、会話の間の取り方を上手にしたいレベルの話であれば、少しの意識と心がけで上手になれるものなのです。 簡単に取り組むことができることですので、ぜひチャレンジしてみてください。