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いきなり新入社員が辞めない為に、上司が知っておくべき心構え

新年度を迎え入社式の光景を目にすると、ウン十年前に自分が経験した時のことを思い出し、微笑ましい気持ちと、仕事も一人前にできないのに、鼻っ柱だけは強かった……。 そんな自分自身のイケてなさが思い出されて、今でも恥ずかしくて顔が赤くなってしまう、そんな複雑な心境です。
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そんなことを思い出しながら、同時に、この新入社員のうち何割が3年後も会社に残っているだろうか?と、人事的な目線で冷静に考えてしまうのも、職業病だと思わないでもありません。

最近の、若者は堪え性がない!など、年寄りくさいことを言うつもりはないのですが、堪え性があろうが、なかろうが、新卒者の早期退職は会社にとっては教育コストの持ち出しになり、リターンがありません、また直属の上司であれば自身の評価にも繋がりかねません。

そして根本としては、早期退職は新入社員自身の人生にとっても、大きなマイナスを与えかねません。
賃金を払ってやっているから、社員の人生について会社は関係ないという姿勢は、長期的にみると採用活動などにマイナス影響を与えます。

人のいう事を聞かない……
メモをとらない……
協調性がない……
社内の慣習に従わない……
叱りつければ辞める……
叱りつけなくても辞める……

確かに新入社員を教育していくなかで、本人たちに言いたいことは山ほどあるとは思いますが、自分自身が新卒だった時のことを思い出した際に、果たしてどれほどの人が、自分は違ったと自信を持って言えるでしょうか。

社会環境の違いや、考え方に若干の差異はあっても、いつの時代の人間も大きくは変わらないものです。
そして世代間のギャップはいつの時代でもあるのです。
古代ギリシアの哲学者プラトンが若者の非礼について、師ソクラテスの言葉として書いたという記録もあるそうです。

また『子ども叱るな、いつか来た道。年寄り笑うな、いつか行く道』という慣用句もありますが、新入社員も時が経てば、自分の行動が如何に理不尽であったことかに気づく時もくることでしょう。
逆にいつまで経っても、そのことに気付かないような人間であれば、会社として雇用をし続けることに意味があるのかどうか見直すべきなのかもしれません。

最後に、山本五十六が70年以上前に残した、部下を育てるためのヒントです。
新入社員教育・育成には、とにかく時間がかかり、経営のように四半期で結果を出す、という訳にはいかない面があります。
新入社員の早期退職を避けつつ、戦力化することが、上司の役目のひとつでもあります。この新年度だからこそ見直すタイミングにしませんか。

やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。
話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

「報告・連絡・相談」のコツは上司から働きかけること

前回に引き続き、「報告・連絡・相談」のお悩みについてです。

部下からの報・連・相に不満がある。
例えば、必要な報告をあげない、マズい情報はギリギリまで相談がない、具体例をあげるとそれだけで小一時間は話が終わらないほどの事例を、さまざまな会社で管理職の方から聞かされます。

また、部下には口酸っぱく「報・連・相」が大事であると指導するにも拘らず、改善される気配がない。そんな状況がより一層、上司のストレスを溜める原因にもなってます。

ここで大事なことは、「報・連・相」それ自体が目的ではありません。
あくまでも、仕事を円滑に進めるため、仕事の進捗や方向性の確認するためなど、何かを判断する必要に迫られた時、手元に必要な情報が、必要な量と質で揃っている状態にしておくことが本来の目的です。

そんな、上司である管理職にとって仕事しやすい環境を作るためのヒントを、書いてみたいと思います。

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 上司が原因を作り出している?

なぜ、うちの会社の部下は「報・連・相」ができないのでしょうか?と相談を受ける際に、逆に当事者である部下の方にも、上司に報告・連絡・相談をする際のやり取りについて詳しく教えてもらうようにしています。

その際によく聞く話は、上司に報・連・相をすると、「自分で考えろ!」「いちいち聞くな!」「まだそんなことも分からないのか!」と部下が望んでいたことと、全く関係のない回答を返されるというものです。

部下が聞きたかったことは、そんな言葉ではなく、上司としての経験や知識を基にしたアドバイスなり指示です。 自分で解決できることであれば、わざわざ相談したりしません。

こんなことが数回続くと、部下は心の中で上司を「使えないヤツ!」として反発するか、「叱られると嫌だ」と萎縮するか、どちらにしても「報・連・相」は本来の趣旨から離れ、どんどんと悪循環に嵌ってしまいます。

大事なことは「報・連・相」が出来る環境を作ってあげること

上司からすれば、部下が自分で考えることもせずに安易に相談して済まそうとしている、何度も教えているのに同じようなことを質問してくるなど、いろいろ言いたいこともあるでしょう、また多忙な時間に、上司からするとレベルの低い報告などを受けると、ついつい語気が荒くなってしまう気持ちも分からないではありません。

ただ目的は「自分の手元に必要な情報が、必要な量と質で揃っている状態にしておく」ことで、「報・連・相」そのものではないはずですし、部下との人間関係を悪化させることでも、無論ないはずです。

具体的な改善策としては、上司が「報・連・相」の時間を定期的にスケジューリングした上で、部下が報告・連絡・相談ができる場を作ってあげることです。

このよい点は、上司としては報連相の時間を予め作ることで、忙しい時間に邪魔されることが基本なくなり、自らの時間を有効活用しやすくなります。 また時間があることで、部下の報連相から問題点を把握し、教育をする時間として活かすことも可能です。

部下としては、時間が決まっていることで、報告すべき事柄をまとめる準備や心構えができ、さまざまな相談をする機会にもできます。

そして、通常業務中に入る報連相は優先順位が高い案件であることが多いので、上司としては判断がしやすくなるというメリットもあります。

但し、ここで大切なことは、報連相の時間は仕組み化して、定期的に繰り返していくことで好循環を生み出すものであり、不定期に開催しても効果が薄くなります。

部下の「報告・連絡・相談」にお悩みの管理職の方はヒントにしてみられてはいかがですか。

報告・連絡・相談についての定義を共有する

「報告・連絡・相談」、いわゆる「報・連・相」が、仕事を進める上で大切であるということは、各企業の社内では口すっぱく言い続けられていることでしょうが、多くの管理職が、部下の「報・連・相」が出来ていないと嘆いてあります。

そもそも話を聞いていると「報告・連絡・相談は速やかにしなさい」と社員に教育はしているものの、その定義が各人で明確になっておらず、上司の使っている意味と、部下の認識の間にズレがあるという状況を時々目にします。

部下の「報・連・相」がダメだと嘆く前に、まずは定義を社員同士が共有しておかなければ、報・連・相の改善どころではありません。 今回の記事では、言葉の定義を再度、理解し直す機会にしたいと思います。

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報告・連絡・相談の定義

報告
上司からの業務上の指示・命令に対し、部下から途中経過・結果を知らせることです。
(例)
上司:この資料を明日の午前10時までに仕上げてくれ。
部下:分かりました。
〜2時間後〜
部下:資料の作成ですが、データの精査に時間が必要ですので、明日の12時までお時間頂戴できますか?
上司:では、余裕を持って14時までに仕上げてくれ。
部下:分かりました。

連絡
上司や部下など職位には関わらず、自分の意見を入れることなく、客観的な事実を情報として関係各人に知らせることです。
(例)
上司:新製品の開発会議は、金曜日の10時から行うので各人、準備をしておくように。
(例)
窓口:◯◯様より、列車遅延のために到着が30分遅れるとの電話がありました。

相談
仕事上で判断に迷う時や意見を聞いて欲しい時に、先輩・上司・同僚などに意見を聞きアドバイスを受けまることです。相談も職位に関係なく行われます。
(例)
後輩:この仕様ですが、前回の場合にはどのように対応されましたか?
先輩:前回は、この様な仕様にしたのうまくいったよ。
(例)
上司:君の担当先A社について、納期が遅れがちになる原因はこれだと思うのだが、君の担当者としての意見を聞きたい。
部下:それも原因のひとつですが、新しい設備の稼働がスムーズにいっていない事も原因に挙げられると思います。

用語の持つ意味を共通認識しておくことが大切である

今回は、報告・連絡・相談について見なおしましたが、本当に大切なことは社内で使用する様々な用語が持つ意味を、すべての社員が共通認識として持っておくことが大切です。認識が共有できていないと、コミュニケーションの中に齟齬をきたします。 極端なことを言えば、お互いが違う言語で話をしているにも関わらず、理解を深めようとするようなものです。

報・連・相は大事なことではありますが、まずはお互いの認識にズレが生じていないかをいま一度、確認してみる機会になればと思います。