面接官が面接をする際に注意すべき認知バイアスとは 【ハロー効果】


以前の記事で、面接を受ける際の就活生に覚えておいてほしい、認知バイアスの一種であるハロー効果について書きましたが、このことは面接を実際に行う面接官にもぜひ知っておいてほしいことですので、前回と逆の視点で書いてみたいと思います。

 

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◆ 有名大学を卒業した人は、人格的にも優れているのか?

ハロー効果というのは、ある人の判断を下す際に、その人の目立ちやすい特徴に意識が引きずられて、他の特徴について評価が歪んでしまうことをいいます。

例として面接時に、就活生が有名大学を好成績で卒業する予定であった場合、面接官であるあなたは、その人物の大学成績というポジティブな特徴に意識が引きずられてしまい、成績とは何の因果関係もない人格までも優れていると思い込んでしまう場合があります。

繰り返しになりますが、成績が優れていることと、人格的にも優れていることの間には何の関係性もありません。 成績が優れていてるがうえにプライドも高く、仕事をさせてみるとまわりの社員とは、まったく協調しようとせずに、部署で浮いてしまう様な例も多いものです。

同じような例で、大学4年間は体育会系で頑張っていましたという就活生がいたとすると、勝手に性格も明るいと思い込んでしまったり、逆に趣味がアニメであるというだけで、性格が陰鬱であるという勝手な判断を下してしまう、中高年の面接官も少なくありません。これも、目立ちやすい特徴に意識が引きずられてしまい、評価を歪ませている原因になるのです。

 

◆ 面接官としての、個人的な「好き嫌い」を排除する

やみくもに数集めとしての採用活動を行っているのでなければ、多くの企業は、自社の成長に必要と思われる人物を厳選して採用することが目的になります。 ここで大切なことは、「必要な人材>面接官の好み」ではないことは周知のことです。 ただ多くの場合、面接官は客観的に評価をしているつもりでも、実際にはハロー効果の影響を受けているがために、本来であれば採用すべきであった就活生を、採り損なうことにもなりかねません。

そこで面接官としてハロー効果に影響されない為の心構えは、まず自分の好き嫌いを排除するということです。 但し、このことを理解をしていたとしても、現実的にはバイアスをゼロにして評価することは、簡単なことではありません。

そこで就活生を評価する際に、個人的に好きなタイプの人材であれば2割は割り引いて考え、自分の嫌いなタイプの人材であれば2割は割り増すことです。 多くの場合は、面接は複数名で評価を下します。その際の評価シートに、面接官としての好き嫌いを記載する項目をつけ加えることで、評価を確定させる際の判断材料のひとつにハロー効果の影響を軽減させます。

なぜ、そこまでする必要があるのかと言えば、「自社には、同じ様な社員しかいない為に、新しいアイデアが生れてこない」と、多くの相談があるためです。 そこにはハロー効果の影響に引きずられ、評価が歪んでしまったことで採用する人材が画一的になったことも原因の一つに挙げられます。 どうしても面接官として、目立ちやすいポイントに意識が向いてしまい、そこを評価を下してしまいがちなのです。

社会環境が激変している時代だからこそ、自社の将来の為に必要となる就活生を採りこぼすことがないように注意したいものです。

 

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